色彩でめぐる世界の絶景
極地を彩るツンドラの紅葉
クルアニ国立公園はアラスカに隣接するカナダ北西のユーコン準州にあるユネスコ世界遺産の国立公園で、一年中雪や氷河のある地域だ。面積は2万2千平方㌔と四国よりも大きい。またカナダ一高い山、マウントローガン(5959㍍)もこの公園内にそびえ立つ。
クマをはじめムース、トナカイなどのシカ類、オオカミ、キツネ、リス、野鳥類とさまざまな動物が生息することでも有名な公園だ。
極寒な気候ながら、夏にはツンドラ地帯も雪が解ける。6月、気温が20度となる日も出てくると原野は一斉に緑に覆われる。そして、短い夏を終え、8月末には一年で一番美しい秋を迎える。極地に生える低木のヤナギは黄色、ワイルドブルーベリーやヒメカンバは赤、針葉樹であるモミやマツなどの常緑樹は緑と、原野に広がる3色のカラフルなコントラストは、何度見ても印象的な光景のひとつだ。
【撮影地】カナダ・ユーコン準州 クルアニ国立公園
(谷角 靖)