亜熱帯やんばるの森
ホントウアカヒゲとアオノクマタケラン
奄美群島やトカラ列島、男女群島に分布するナミアカヒゲの別亜種のホントウアカヒゲは、やんばる固有亜種。雄は額から胸にかけて黒い羽毛に覆われるが、雌のこの部分は白い。
やんばるでは周年活動が見られ、雄の美しいさえずりが聞かれる。撮影時にレンズを向けるとすぐに逃げてしまうが、何か作業に没頭していると、目の前まで近づいてのぞき込んでいたりする。警戒心と好奇心、いずれも旺盛なようだ。
繁殖は春から初夏にかけて、樹洞や枯れ木、木の根元、倒木などに枯れ枝や枯れ葉などで簡単な巣を短時間で造り、2〜5個産卵する。
食性は小型の昆虫やミミズを好み、かなり肉食に偏っている。しかし資料によると、嘴(くちばし)に果汁が付いていることが観察され、果実も食べるとある。
その具体的な果実は何だろうか? 今年、目の前でアオノクマタケランの赤い実をのみ込むシーンに遭遇し、実際の果実食を確認できた。
アオノクマタケランは林内に多く見られ、梅雨から初夏に開花する(2023年5月配信参照 https://www.shinrinbunka.com/wgp/yanbarunomori/26011.html)。
その後、秋から冬にかけて結実し、鮮やかな赤い実をつけ、野鳥に人気が高い。
(湊和雄)動画でもご覧ください