日本アルプス 四季を旅する

モルゲンロートの白馬三山

 

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 2月ごろにもなると冬型の気圧配置も緩みはじめ、北アルプス北部でも安定した天候となる日が多くなる。姫川の支流となる松川は白馬連峰の北股・南股の沢が源流で、2本が合流すると一気に幅広い川となり本流姫川に注ぐ。その松川から白馬連峰を望むロケーションは素晴らしく、人気の撮影スポットの一つだ。

 前夜から天候も良く翌朝も快晴の予報。夜明け前から松川のどの位置から撮影するのがベストか場所を探す。この日もよく冷え、当然気温はマイナス。素手で川の水をさわれば刺すような痛みの冷たさの中、川へ入水し撮影のスタンバイに入る。川の勢いに負けないよう大型の三脚を川の中に立て、細かな構図決めを行い、川の広大さや流れの勢いが伝わるように細かく立ち位置を調整する。そうこうしていると、夜明け前の綺麗なビーナスベルトが白馬連峰の上空を染めはじめた。

 その後の朝焼けを期待し、極寒の中撮影しながら、モルゲンロートを待ち構える。次第に稜線から朝日があたりはじめ、真っ白だった白馬連峰の山体を、1日の幕を開けるように美しいピンク色に徐々に染め上げていった。その山容には暖かさをも感じた。

 

 ・ビーナスベルト:日の出前や日没直後に、太陽と反対側の空にピンク色の帯が見られる現象。

 ・モルゲンロート:朝日に照らされ山肌がピンク色や赤に染まること。

 

 【撮影地】長野県白馬村 松川

 

 (大島隆義)

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