日本アルプス 四季を旅する

穂高の夜空

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 西穂高岳は北アルプス穂高連峰の南端に位置し、丸山はそこからさらに南方へ延びる稜線上に位置しているピークの一つだ。

 岐阜県側にある新穂高ロープウェイを利用し、千石園地から登山開始。オオシラビソの原生林の中を1時間半ほど歩き、標高2400㍍付近とやや低めに森林限界をむかえ、その境界付近に建つ西穂山荘に到着する。

 あたりは視界が開け、稜線上へ上がった気分が途端に味わえる。これより先はハイマツ帯だが、雪の中から所々ダケカンバやシラビソが顔を出している程度で、風を遮ってくれるものは何もなく、更には、強い風が常にと言っていいほど吹いている。そのため丸山まではなだらかな稜線ではあるものの、アイゼン、ピッケル、ヘルメットは必携だ。

 丸山より先にある西穂独標で美しい夕焼けを撮影。この日はテント泊で来たためじっくりと撮影を楽しめた。夕食をすませ、目的の夜景を待つためシュラフに潜り込む。

 深夜、東の空に夏の天の川があがる時間帯に起きて丸山へと登った。幸運にも無風快晴。西穂高岳方面に続く稜線とその白い斜面にポツポツと点在する樹々、奥には前穂高岳・明神岳の岩稜帯がそびえ、夜空には満天の星が広がる。絶好の環境の中、様々な山岳夜景を撮影し終えることができた。

 

 【撮影地】 長野県松本市 西穂丸山

 (大島隆義)

 

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