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樹齢300年以上のヒノキの天然林を散策 赤沢森林浴開催
樹齢300年以上のヒノキの天然林が広がる長野県上松町の赤沢自然休養林で10月8日、第66回赤沢森林浴(上松町、町観光協会、森林文化協会主催)が開かれた。
首都圏や大阪からを含む45人が参加。普段は立ち入りが制限されている保護林「学術研究路」を、木曽森林管理署の職員や森に詳しいNPO法人・木曽ひのきの森のメンバーの案内で散策するコースと、リフレッシュコースに分かれ、森林浴を楽しんだ。
赤沢一帯は、江戸時代初期に大半の木が伐採された後、落ちた種から「木曽五木」と呼ばれるヒノキの仲間(ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)が自然に生え育って、天然林となった。伊勢神宮の遷宮に用いる「御神木」にも赤沢の木曽ヒノキが使われている。
学術研究コースの参加者は5班に分かれ、尾根近くに広がるヒノキの「屈指の美林」と称される奥千本(標高1240㍍)をめざした。胸の高さの幹の直径が70~80㌢、高さ30㍍以上のヒノキが林立する迫力あふれる光景を前に、盛んにスマホやカメラのシャッターを切っていた。
道中も倒木や切り株の上に生えた芽が成長、倒木が朽ちることでそこが空洞になり、根が地面から浮き上がった様子や、岩の上にはうように根を張った姿など、多彩な造形美を、ガイドの説明を受けながら楽しんだ。
東京から参加した女性は「普段入れない場所を歩ける貴重な機会」と話し、盛んに質問していた。
4時間あまりのツアーから戻ると、信州大の森林セラピーサークルの学生が、特製のハーブティーでおもてなし。参加者は午後から降った雨で冷えた体を温め、疲れを癒やしていた。
ハーブティーを参加者にふるまう信州大の学生たち(右)