亜熱帯やんばるの森

チブサトゲグモ

 

yannbaru

雌成体の色彩・斑紋変異。体長8〜12㍉メートル。琉球列島に分布

 やんばるの森には、興味深いクモが数多く生息している。小さく目立たないが、最も数の多いのがチブサトゲグモと思われる。色彩や斑紋はバラエティに富み、とても同種だと思えない個体も存在する。ただ、ほとんどの個体に共通しているのが、白い目玉模様だ。全体では鬼の顔のように見える。しかし、1㌢メートルほどのサイズでは、鳥などの捕食者への威嚇効果があるのかは不明だ。
 直径20㌢メートルほどの丸い網を張り、各種小型昆虫を捕食するが、ときにハチやセセリチョウなども食べる。しかし、さらに大型のタテハチョウなどが網に掛かると、食べずに糸を切断して落とすこともある。

 腹部の側面に3対の棘があり、その基部が丸く膨らみを帯びることが和名の由来になっている。真冬も含め周年活動する。 

 ※)琉球列島はトカラ列島から八重山諸島にかけての亜熱帯の島々。大東諸島、尖閣諸島は含まれない。

 (湊和雄)

 動画でもどうぞ。

PAGE TOP