快晴の下、第55回赤沢森林浴を開催
長野県上松町の赤沢自然休養林で5月27日(日)、第55回赤沢森林浴が開かれました。快晴の下、65人が参加。ふだんは立ち入りが制限されている保護林を歩く「学術研究コース」(約4・5キロ)では、ガイド役の木曽森林管理署の専門家やNPO「木曽ひのきの森」メンバーらの説明を聞きながら、約4時間、さわやかな森の香りに浸りました。
保護林には樹齢が300年以上とみられるヒノキのほか、サワラやアスナロ(ヒバ)などの針葉樹が林立しています(写真上)。参加者は時折足を止めて、これらの見分け方や木曽ひのきの歴史の解説に聞き入っていました。
保護林に入り、ハート形の葉が秋に赤く色づくベニマンサクや、フォーク形の葉が黄葉するシロモジなどの木々を眺めながら進むと、通路のすぐ脇で直径70センチを超すヒノキが出迎えてくれました(写真下)。
樹高は35メートル以上あるため、樹齢は350年以上と推定されます。最初はちょっと驚きましたが、さらに分け入ると、そのクラスのヒノキは当たり前でした。
参加者の一人が、1941(昭和16)年に伐採された標識があるヒノキの切り株で、小さなキノコを見つけました。そういえば、この森にはキノこがほとんどありません。カナブンなどは時折見かけますが、やぶ蚊も全くいません。木曽森林管理署の中村英昭さんの説明によると、キノこがなく、やぶ蚊がいないのは、ヒノキなどが出す抗菌・防虫効果がある香り成分(フィトンチッド)の働きだそうです。一方、香りの中には人体には有用に働く成分があり、心身を癒す効果があります。
出発地点の赤沢森林交流センターから約200メートル登った標高1240メートルの「奥千本天然林」が、学術研究コースの「ピーク」。ここで昼食をとったあと、時間に余裕があったので、森林セラピストでもあるガイド役の田上洋介さんの指導で、「ネイチャーゲーム」をしました。ヒノキの高いこずえが見えるように地面に寝そべり、「森の空気を鼻から胸いっぱいに吸って少し止め、耳から出すイメージでゆっくり吐く」という呼吸法をまず練習。次に、足の裏をヒノキの根と同化させたつもりになって、呼吸とともに木のエネルギーを体内に取り込み、頭のてっぺんから放出して、ヒノキに返します。
これを20分間。いつもは首すじや肩が張って痛みがあるのですが、このあとは、痛みが消えていました。効果は翌日まで残りました。
「赤松森林浴」は上松町観光協会と森林文化協会の主催で、春と秋の2回開催しています。