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手賀沼の群生ハス、試験的に刈り取り 生態系への影響懸念 /千葉県

 手賀沼に群生するハスについて、県や周辺7市などでつくる手賀沼水環境保全協議会は6日、ハスの大量繁殖で水環境が変化し、生態系にも悪影響を及ぼす恐れがあるとして、試験的に一部を刈り取る作業をした。来年度からの本格実施に向け、刈り取りで繁殖が抑制されるかなどを検証する。回収したハスを焼却処分する前に、放射性物質の濃度も調べる。
 ハスの群生地は、柏市と我孫子市を結ぶ手賀大橋の東側にあり、柏市側の岸辺から広がるようにして繁殖している。協議会の2015年の調査によると、面積は23・1ヘクタールで、05年からの10年間で8・6ヘクタール拡大。沼の面積650ヘクタールの3・6%にあたる。
 県水質保全課によると、ハスが枯れ、沼底に沈んで腐敗すると、水中で酸素が減って水環境が変化し、魚や微生物などに悪影響を及ぼす可能性があるという。
 この日は、協議会が委託した環境調査会社がボート3台を出して、群生地の北西側1千平方メートルで約3時間、刈り取り作業をした。主に茎の部分から刈り取り、地中のレンコンもサンプルとして取り、柏市側の岸辺に運んだ。今後、放射性物質の濃度を測り、一般廃棄物として処理できる場合は、約1週間後に柏市内の清掃工場で焼却する。
 今回、作業の方法や焼却の費用も検証。来年度は面積を広げ、水質調査の実施も検討するという。
 同課の担当者は「地元では観光資源として活用されているが、ここまで広がると、水環境の保全の面で影響が考えられる」と話している。

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