亜熱帯やんばるの森

マルバネルリマダラ定着か?

飛翔するマルバネルリマダラの雄。台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどと同じ亜種。前翅長約53㍉メートル

 10月から次第に個体数が増えてきたツマムラサキマダラ(2024年4月30日配信)の集団を注意深く観察すると、よく似た別種が混ざっているのに気付く。マルバネルリマダラだ。ひと回り大きいが、翅を閉じた姿はツマムラサキマダラの雄に酷似している。翅を開くと違いは明らかなのだが、地色も斑紋も光線状態によって変化する構造色のため、一定には見えない。
 元々、東南アジアから飛来、あるいは一時的に繁殖する迷蝶・偶産蝶だったが、八重山諸島では既に定着したとの見解もある。やんばるでもここ数年多くの個体が活動し、12月にも新成虫が見られるので、定着が近いのかもしれない。今後、1、2月の生息確認が重要だろう。

 (湊和雄)

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