亜熱帯やんばるの森

コノハチョウの虫食い穴

コノハチョウは逆光に照らされると、翅に光を透過する部分がある。前翅長約48mm。国内の自然分布は沖縄。沖縄県指定天然記念物

 枯葉への擬態として有名なコノハチョウ。しかし、緑の葉の上にとまったり、鮮やかな翅(はね)の表側をたびたび見せたりするなど、矛盾した行動も少なくない。

 だが、この細かい技を目にすると唸ってしまう。強い逆光条件で翅を閉じていると、前翅に光を通す所があるのだ。しかも2カ所。これは枯葉に開いた虫食い穴にしか見えない。

 実際に翅に穴が開いているわけではない。ここには鱗粉がなく、光を通す構造になっている。矛盾点もあるが、実は細かい部分まで木の葉に擬態したチョウなのだ。

 (湊和雄)

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