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今年度のブループラネット賞にIPBESと 生態系サービスの重要性示した研究者 

会見する受賞者。ロバート教授(左)、IPBESのアン事務局長(中央)

 

 公益財団法人旭硝子財団が運営する国際環境賞「ブループラネット賞」に今年度、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム (IPBES)」と、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロバート・コスタンザ教授が選ばれた。この賞は地球環境問題の解決に向けて科学技術の面で著しい貢献をした個人または組織の業績を称えるもので今回で33回目となる。

 IPBESは生物多様性、生態系サービス、そして自然が人間にもたらすものについて科学的知見を調査、分析する国際機関。科学に基づいたIPBESの報告書が、生物多様性保全に関して各国の政策や国際条約、企業のサステナビリティ―戦略の基盤となっていることが評価された。

 ロバート教授は1997年の論文で、自然環境が人間に提供する生態系サービスの経済的価値が、当時の世界のGDP総額を上回っていることを初めて実証し、生態系サービスの重要性を世界に示した。生態経済学という新たな学術分野も創出した。そうした業績が評価された。

 10月22日、東京・大手町で開かれた受賞会見で、IPBESのアン・ラリゴーデリー事務局長は「私たちのプロジェクトは長年生物多様性がどう減少しているのかを記録し、原因にも注目し、そして、どのような影響を与えているのかを調査してきた。生物多様性の問題にとって重要な農業、漁業、林業、そして経済や金融システムも変化する必要がある。しかし、私たちは何をすべきか知っているにもかかかわらず、非常に実行が遅い」と、現状への危機感をあらわにした。

 そのうえで、「私たちの目標は、生物多様性が気候変動と同様か、それ以上に重要なものとして世界の政策立案者の議題に位置づけられることだ」などと訴えた。
 さらに、とくに若者たちに向けて「行動を起こすのに遅すぎることはない。生物多様性には希望がある。若い世代も落胆するのではなく、その逆である」と呼びかけた。「そのためには適切な情報を得る必要がある。少し欠けているのは人々と生物多様性のつながりだ。自分の生活やとれる行動との関係を必ずしも理解はしていない。優れた情報に基づいて理解し、行動することが大切だ」と強調した。

記念撮影に応じる受賞者たち

 

 

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