亜熱帯やんばるの森

シロオビアゲハ

擬態型のシロオビアゲハの雌(右上)に求愛する2頭の雄。前翅長約50㍉メートル。琉球列島に分布

 

 梅雨が明け、昆虫の活動の最も盛んな季節が到来した。特にチョウ類の姿が目立つ。やんばるを代表するチョウの1種がシロオビアゲハだ。

 和名のとおり、黒の後翅に白い帯が走る。しかし、雄のシロオビアゲハが模様の異なるチョウを追い、求愛するシーンに度々遭遇する。しかし、この求愛されているチョウもやはりシロオビアゲハの雌なのだ。一部の雌は、有毒のベニモンアゲハ(2022年11月配信)に擬態していると考えられている。
すべての雌が擬態しない理由は、数の多いシロオビアゲハの雌が、数の少ないベニモンアゲハに似た姿では、擬態が成立しないからだ。擬態は、本当に有毒なチョウの中に、それに似た無毒のチョウが少数混在した状態でないと、天敵を欺けないのだ。

 

 ※)琉球列島はトカラ列島から八重山諸島にかけての亜熱帯の島々。大東諸島、尖閣諸島は含まれない

 (湊和雄)

 動画でもご覧ください。

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