亜熱帯やんばるの森

ヤンバルクイナの鳴き声

デュエットするヤンバルクイナ。全長約35㌢メートル。やんばる固有種。国指定天然記念物

 1981年にヤンバルクイナが新種として発見されるまで、その鳴き声は知られていたが、主は謎のままだった。発見後、ヤンバルクイナのものと特定されたが、鳴き声は1種類だけではない。

 求愛、威嚇、縄張り宣言などの他に、「グッ、グッ、グッ」と小さな声を絶えまなく発していることもある。また、子育ての時期は、餌を見つけた親鳥に雛が駆け寄るシーンも度々見かける。この場合も、人間には聞き取れない何らかの声を発しているに違いない。

 撮影用迷彩テントに身を潜め、五感を研ぎ澄ませて、出現を待つ。少なくとも、5、6種類の鳴き声を使い分けているようだ。中でも、多くの季節の朝夕中心に聞かれる、甲高い鳴き声。鳴き始めると、それに呼応して次々と別のファミリーも谷渡りのように鳴く。これは恐らくテリトリー宣言だと考えられる。

 めったに見られないペアでのデュエットは、耳にも目にも印象的なシーンだ。

 (湊和雄)

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