7月の絵暦
南の島のリーフに立ちこんで、フライロッドを握り、魚を探す。
でっかい魚を釣りたいぞー。
一日、青い海原にもまれ、彷徨った。
無念。
真っ白なアジサシが、ひらひらと舞う。
透きとおったままの海に、ま、いいかと、
ラスト一投の毛ばりを投げた。
クンクンクンと手応えあり、・・・ムラサメモンガラ。
おどけ過ぎだよ、その姿。
でも、ありがとう、とってもうれしいよ。
(村上康成)
※カレンダー『森へようこそ2024』(ユニオンサービス)より
■お知らせ
◇村上康成の世界展
うみ・やま・かわに抱かれて ~絵本作家のワイルド・ライフ・アート~
デビュー作『ピンク、ぺっこん』などの「ヤマメのピンクシリーズ」をはじめ、初期から最新作の『くまくんです。』までの絵本原画の他、タブロー、エディトリアルの原画など約230点と、オリジナルグッズも網羅した展覧会。
☆開催場所…佐野美術館(静岡県三島市)
開催期間…8月4日(日)まで
問い合わせ…055-975-7278(佐野美術館)
https://sanobi.or.jp/exhibition/murakami-yasunari_2024/
◇『くまくんです。』(ひさかたチャイルド)
未来に向かう、世界中の子どもたちへ、大人たちへ。
村上康成が贈る、この星の上で共に生きるエール。
作者の言葉(掲載文より一部抜粋)
夏の谷川で友人とヤマメ釣りをしていました。
お昼になって、おにぎりをリュックから出して、食べ始めた時です。
20メートルくらい離れた丘の草むらから、ツキノワグマの子どもが現れました。
おにぎりが、喉につかえそうでした。
くまくんは、踵を返して、森に消えていきました。
初夏、親と別れた子ぐまは、一人懸命に生きていきます。
別れはちょっぴりつらいかもしれませんが、それ以上に母なる山がここにあります。
自然と人の調和のとれた、健やかな山であればこそです。
くまくん、元気でね!
◇児童文学『黄色い竜』(徳間書店)
田んぼ、小川、湖など身近な自然の風景のなかで生きる、少年のひと夏の清新な物語。文字で描くことに専心した村上康成“初”の児童文学。
■プロフィール
むらかみ・やすなり/1955年岐阜県生まれ。創作絵本、ワイルドライフアートなどで、独自の世界を展開する自然派アーティスト。『ピンクとスノーじいさん』『プレゼント』『ようこそ森へ』などでボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『ピンク!パール!』でブラチスラバ世界絵本原画展金牌、『なつのいけ』で日本絵本賞大賞などを受賞。絵本に『ピンク、ぺっこん』『石のきもち』『さかなつりにいこう!』『リュックをしょって』『まっている。』などの他、エッセイに『水ぎわの珍プレー』、児童文学に『黄色い竜』など多数。森林文化協会の「森の親善大使」でもある。
村上康成BREEZINGオフィシャルストア https://www.y-murakami.com/
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