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赤沢森林浴開催 ヒノキの天然林を満喫

奥千本の天然ヒノキ林

 樹齢300年以上のヒノキの天然林が広がる長野県上松町の赤沢自然休養林で10月6日、第68回赤沢森林浴(上松町、町観光協会、森林文化協会主催)が開かれた。

 首都圏からを含む40人が参加。普段は立ち入りが制限されている保護林「学術研究路」を、木曽森林管理署の職員や森に詳しいNPO法人・木曽ひのきの森のメンバーの案内で散策するコースと、ふれあいコースに分かれ、森林浴を楽しんだ。

森林鉄道を降りて、班ごとに注意事項などの説明を受ける参加者たち

 赤沢一帯は、江戸時代初期に大半の木が伐採された後、落ちた種から「木曽五木」と呼ばれるヒノキの仲間(ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)が自然に生え育って、天然林となった。伊勢神宮の遷宮に用いる「御神木」にも赤沢の木曽ヒノキが使われている。

「千本立」で木曽森林管理署の職員から説明を受ける参加者たち

 青空が広がる好天の下、学術研究コースの参加者は5班に分かれ、四つの班は尾根近くに広がるヒノキの「屈指の美林」と称される奥千本(標高1240㍍)をめざした。胸の高さの幹の直径が70~80㌢、高さ30㍍以上のヒノキが林立する迫力あふれる光景を前に、多くの参加者は昼食休憩。陽光に照らし出されたヒノキの雄姿を楽しんだ。

 もう1班は森林鉄道の遺構を散策した。

 また、来年6月、20年に一度行われる伊勢神宮の御正殿の建て直しに伴う「式年遷宮行事」があり、赤沢の国有林で伐り出された「御神木」が、ご神体を納める器の御用材になる。

 1985年に御神木として伐採された木の切り株を前に、参加者たちは、三方向から斧を使って伐採する古式ゆかしい「三ツ紐伐り」について説明を受け、熱心に聞き入っていた。

1985年に御神木が伐採された切り株。斧で切った後が残る

 今回も信州大の森林セラピーサークルの学生が、特製のハーブティーでおもてなし。参加者はかぐわしい香りが漂う一杯で疲れをいやしていた。

 また、5日に上松町で開催された全国森林鉄道サミットの関連イベントとして、森林鉄道では、かつてあった理髪車で散髪を体験できる「森のとこやさん」の営業(予約制)も行われた。

 

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