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竹を発電用木質バイオマス燃料に改質する技術を開発

日立製作所は、竹類からカリウムと塩素を溶出させることで発電用木質バイオマス燃料と同等の品質に改質する技術を開発し、溶出した成分が植物育成剤として利用が可能であることも確認した。

放置竹林の拡大防止と、伐採した竹の資源活用は重要な課題となっている。しかし、竹にはカリウムが多量に含まれるため灰の軟化温度が680~900℃と低く、大型のボイラで燃焼させると炉内にクリンカという溶岩を生成する特性を持ち、塩素濃度が高いことから耐火物や伝熱管の腐食を発生させやすいという問題を持つ。また、低温で燃焼した場合、ダイオキシン類を生成し、さらに燃焼温度に関わらず200~500℃でダイオキシンが再合成することにもつながるため、竹をバイオ燃料として利用することは、不向きとされていた。

そこで日立は、竹を微粒化し水に浸せば、水溶性物質であるカリウムと塩素類を容易に溶出できるという知見を得て、それに基づき、竹の灰の軟化温度を1100℃以上に向上させるとともに、塩素濃度を木質バイオマス燃料と同等レベルまで抑えることに成功した。また、この技術が、モウソウチク、マダケ、ハチク、笹や雑草類、未利用の杉の皮でも同様の効果があることを確認した。改質により溶出した成分を分析した結果、有害物質は検出されず、リンと窒素を微量ながら有していることから、植物育成剤としての利用が可能であることを確認した。

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