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鳥インフル32万羽殺処分 国、感染拡大を警戒 新潟・青森

 青森県と新潟県の養鶏場などで鳥インフルエンザの疑いがある食用アヒル(フランス鴨〈かも〉)やニワトリが見つかった問題で、青森県に続いて新潟県も29日、遺伝子検査の結果、高病原性と判断したと発表した。両県とも「H5亜型」のウイルスが検出され、感染拡大を防ぐため、発生場所で飼育されていた鳥の殺処分を開始。政府は関係閣僚会議を開いて対策の徹底を確認した。
 殺処分の対象は、青森市の農場の食用アヒル約1万6500羽と新潟県関川村のニワトリ約31万羽。青森県では29日午前7時半現在、約3分の1にあたる6150羽の殺処分が完了。新潟県では、午前10時ごろまでに3400羽ほど処分したという。
 このほか、農林水産省や両県によると、青森市の農場から半径3キロの範囲にある4戸の計約1万4千羽の移動が禁じられ、3~10キロの範囲にある3戸計約40万羽は出荷や運び出しが禁じられた。同様に、関川村の養鶏場の周囲では約60戸約50万羽の移動や運び出しが禁じられた。
 政府は29日午前、首相官邸で関係閣僚会議を開いた。菅義偉官房長官は「政府一丸となって感染拡大の防止のため、緊張感を持って万全の対応をとっていく」と述べた。安倍晋三首相は、現地の情報をしっかり収集する▽関係各省が緊密に連携して徹底した防疫措置を迅速に進める▽国民に対して正確な情報を迅速に伝える――の3点を指示した。
 野鳥について調べている環境省によると、11月18日から28日までに秋田、岩手、鳥取、鹿児島の4県で野鳥の死骸などから高病原性鳥インフルエンザウイルス「H5N6亜型」が確認されている。21日に警戒のための対応レベルを最高に当たる「レベル3」に引き上げていた。韓国でも同じ型のウイルスが見つかっているという。

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