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農業高校、羽ばたく女子 生徒数、5割目前 動物飼育や園芸・料理の教育充実

 力仕事が多くて泥にまみれる――。そんなイメージもある農業高校で、女子の割合が近いうちに全国で5割を超えそうだ。農家の減少などを理由に男子が激減する一方、ペットを育てたりケーキやパンを作ったりする授業の充実で、女子の人気が高まっている。漫画も一役買っているようだ。
 文科省によると、女子の割合が増え始めたのは、1989年改訂の学習指導要領が実施された94年度ごろから。農業高校はもともと、農家の後継者をつくるために家畜や農作物の育て方を学ぶなど農業生産を重視していた。だが、農家が減って志願者も減少。指導要領を改め、料理や花の装飾の仕方、犬など小動物の育て方を学ぶ授業を充実させることになった。
 各農業高校では、パティシエやトリマー、フラワーアレンジメントなど女子に人気が高い職業と直結する学習内容を充実させ、次第に女子の志願者が増えた。一方で、男子が多い農業土木や林業は人気がなくなり、学科や募集人員が減った。
 最近は、農業で女性が活躍する漫画のヒットも追い風になっている。北海道の農業高校を舞台にした漫画「銀の匙(さじ)」(小学館)は単行本1~13巻の売り上げが1500万部を超え、映画やテレビアニメにもなった。女性が主人公の漫画「JA~女子によるアグリカルチャー~」(角川書店)も登場した。
 文科省の担当者は「家畜や農作物の生産を重視する方向から、加工や装飾といった農産物の活用に農業高校の役割が広がった。今後も女子が増えていくだろう」とみる。

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