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勇払原野風力発電、道は見直し要請を 日本野鳥の会 /北海道

 苫小牧市からむかわ町にかけて広がる勇払原野東部で計画されている風力発電事業について、日本野鳥の会は9日、希少な鳥類の生息を脅かすとして、事業者に対し計画を見直す意見を出すよう求める鈴木直道知事宛ての要望書を、道庁に提出した。
 同会によると、風力発電施設は勇払原野東部の564ヘクタールの湿地や草原に、大阪市のガス会社のグループ企業が計画。6月、着工準備のための計画段階環境配慮書を道に提出したという。
 同会は、計画予定地でチュウヒやアカモズ、オジロワシ、タンチョウなど、環境省が絶滅危惧種に指定する希少種を含め277種の鳥類を確認している。近い将来に野生での絶滅の危険性が高い、絶滅危惧1B類に指定されるチュウヒは、国内にいる推定90つがいのうち、7つがいが計画地内で繁殖しているという。
 施設ができると風車に鳥が激突して死ぬバードストライクや生息地の放棄などが心配されるという。
 勇払原野は太平洋に面した石狩低地帯の一角で、面積は約3万6千ヘクタール。1960年代の高度成長期に開発が進んだが、土地の多くが未利用のまま放置され、鳥類の生息地となっている。

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