日本アルプス 四季を旅する
夏の花巡り山行
梅雨の雨によりアルプスに積もっていた雪は日々解け流され、雪の下に眠っていた山野草は太陽の光をうけて、冬眠から目覚めるかのように芽生え、梅雨が明けるとともに開花する。いよいよ夏山の到来だ。
北アルプス白馬岳では多種類の花が見られ、白馬岳周辺の稜線上や中腹にはお花畑も各所にある。栂池(つがいけ)自然園から入山し、白馬岳に登頂し、白馬大雪渓へと下りる周回コースを2泊3日で巡ってきた。途中にある白馬大池にはチングルマのお花畑、小蓮華山の付近にはコマクサの群落、本峰白馬岳周辺には希少種のウルップソウ――。ほかにもたくさんの花が所々自生し、ひんやりとした風と共にダンスするかのように、登山者を楽しませてくれる。
最終日、白馬大雪渓そばの斜面を通る「秋道」には、ミヤマキンポウゲ・シナノキンバイ・ミヤマタンポポなどの花々が咲き乱れていた。黄色の花と緑の葉のコントラスト、遠方には杓子岳の岩稜がそびえ、まぶしいほどの光景だった。
【撮影地】
長野県白馬村 白馬岳
(大島隆義)