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乾シイタケ「原発、風評被害」 大分の農協、東電に26億円請求

 東京電力福島第一原発の事故により、特産の乾(ほし)シイタケが風評被害を受けたとして、大分県椎茸農業協同組合(大分市)は24日、東電に賠償を求めて、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介手続き(ADR)の申し立てをした、と発表した。請求額は計約26億2千万円で、申し立ては17日付。
 林野庁によると、大分県産の乾シイタケの生産量は1044トン(2017年)で、全国の約4割を占める。同農協によると、06~10年度、県産の売買価格は1キロあたり平均約3600~4800円だったが、事故後は平均約2400~3100円まで下落したという。請求額は、事故前の06~10年度と、事故後の12~14年度の価格差から算出した。
 事故後、東日本で生産される乾シイタケから放射性物質が検出され、消費者が購入を避けたり、自治体が給食での使用をとりやめたりする動きが出た。乾シイタケは原産地の都道府県名を表示する必要がなく、「国産」とだけ記載される。そのため、消費者にも産地がわからず、大分県など西日本で生産されたものにも風評被害が及んだとしている。
 東電の担当者は取材に「内容を確認して、ADRの手続きにのっとり対応したい」と話している。

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