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送電線網つなぐ線活用、新ルール始動 安価な電気を優先へ

 大手電力の送電線網をつなぐ連系線を有効活用するための新しいルールが1日から始まった。従来は申し込みの先着順に利用が認められていたが、今後は原則、市場で価格の安い電気が優先的に連系線を利用できるようにする。太陽光や風力など、燃料費がかからない再生可能エネルギーの普及を後押しする効果が期待される。
 連系線は全国に13カ所ある。北海道と本州を結ぶ北本連系線は、北海道の大規模停電(ブラックアウト)をめぐり本州から電力を供給する役割を果たした。ただ、災害や事故時を除けば、連系線の利用は大手電力が他社管内にある自社の発電所から電力を供給する場合などに限られ、積極的には使われてこなかった。
 そこで、連系線を運用する電力広域的運営推進機関(広域機関)と、日本卸電力取引所(JEPX)が有効利用の検討を進めてきた。
 新しいルールは「間接オークション制度」と呼ばれ、申し込み順をやめて、電力のスポット市場(入札の翌日発電・販売)などで価格の安い電気から連系線を優先的に利用できるようにする。太陽光や風力のほか、燃料費が安い既存原発が有利とされる。再生エネの導入を進めるうえで、偏在する風力や太陽光などの適地から電気の大消費地まで電気を届けられることが重要で、連系線が優先利用されれば再生エネの普及を後押しすることにもつながる。
 1日受け渡し分のスポット市場の取引成立量は先週末の9月28日の約1・5倍となった。広域機関は、連系線の利用率が高まれば、増強を検討する。

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