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ため池決壊、危険度を予測 農研機構、システム開発 【西部】

 地震や豪雨の際にため池が決壊する危険度をリアルタイムに予測するシステムを、国立研究開発法人の農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構、つくば市)などが開発した。自治体やため池の管理者向けで、来年度から本格運用を始める。
 農研機構によると、全国の自治体から農林水産省に集められている約10万カ所のため池のデータや現場の水位計の情報などをもとに、地震の発生情報を受けてから30分以内、豪雨の場合は6時間以内に決壊する可能性を予測。危険度に応じて3段階に色分けし、ネット上の地図に表示する。避難所や通行止めになっている道路の情報なども示すことができる。
 閲覧できるのは国や自治体、ため池を管理している人に限り、ため池の緊急点検や住民の避難誘導などに活用してもらう。現場を確認した自治体担当者らがその状況を書き込んだり、写真を掲載したりできる専用アプリもつくった。
 開発にあたった農研機構・農村工学研究部門の堀俊和さんは「仮想的に災害を発生させて自治体の防災訓練などに使うこともできる。災害時の情報共有に活用してほしい」と話した。
 昨年の九州北部豪雨や今夏の西日本豪雨では各地でため池が決壊したり、損傷したり、大きな被害がでた。九州でため池が最も多い福岡県の調査では、県内約1400カ所で決壊のリスクがあるという。

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