ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

プラごみ減らせ、G7連携 リサイクル技術・海洋汚染の調査

 プラスチックごみによる海洋汚染が国際的な問題になるなか、日本を含む主要7カ国(G7)は、低コストなごみ回収リサイクル技術の開発や、海洋汚染の正確な調査手法の確立に連携して取り組むことに合意した。カナダのハリファクスで開かれているG7環境・海洋・エネルギー相会合で20日、合意文書として発表された。

 ■数値目標なし
 文書では途上国への技術支援なども盛り込み、7カ国が率先して世界のプラスチックごみ対策に取り組む姿勢を示した。だが、今年6月のG7首脳会談で、日本と米国が署名を見送った「海洋プラスチック憲章」で示された使い捨てプラスチック削減などの数値目標については、今回の文書では盛り込まれなかった。
 文書によると、7カ国は技術革新を推し進め、海のプラスチックごみ削減をめざす。プラスチックの製品の生産過程でロスを抑える取り組みや代替品の開発、海へのプラスチックごみの流入防止策の強化、多く排出する途上国への低コストなごみ処理システムの導入支援などを挙げた。
 また、劣化したプラスチックごみが細かく砕けたマイクロプラスチックは、環境や人の健康への影響が懸念されている。こうした影響を調査する手法の確立や、マイクロプラスチックの発生を防ぐ技術開発も盛り込んだ。

 ■合意を優先
 議長国カナダのマッケナ環境・気候変動相は当初、今回の会合で使い捨てプラスチック削減の数値目標を示した海洋プラスチック憲章を中心的な議題にする意欲を見せたが、積極的な議論はなかった。憲章の署名を見送った日本や米国に配慮し、7カ国での合意を優先した形だ。日本は今後産業界などと調整をすすめ、今年度末までに使い捨てプラスチック削減やリサイクルの具体的な戦略を作る。

PAGE TOP