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光化学スモッグ調査、県がドローンを活用 /埼玉県

 県が30日、ドローンを使って光化学スモッグを形成するオゾンの濃度が上空でどう変わるかの調査を始めた。埼玉は光化学スモッグ注意報の発令日数が全国最多。県環境科学国際センターは「上空のオゾンが地上付近の大気にも影響するか分かれば、スモッグの予測にも役立つ」としている。
 ときがわ町西端にある剣ケ峰の山頂に近い標高約840メートルの駐車場。30日の正午過ぎから夜中までドローンが150メートル(海抜約1千メートル)の高さまで繰り返し飛行し、搭載した機器でオゾンの濃度を測った。
 光化学スモッグは、車や工場が出す窒素酸化物や揮発性有機化合物が太陽光と光化学反応を起こし、その結果できるオゾンなどの濃度が上がると発生。0・12ppmの濃度が長く続きそうだと注意報が発令される。
 埼玉では注意報の回数が、昨年の15日など2007年以降に都道府県最多を7回記録し、今年も26日までに7日と多い。
 今回、上空の測定に至ったのは、低地では光化学反応がない夜にオゾンの濃度が下がるのに、標高が高い剣ケ峰駐車場そばの東秩父大気汚染測定局は終日高止まりの傾向がみられたのがきっかけ。同センター大気環境グループの米持真一担当部長は「オゾンが分解されずに夜も上空にたまっているとしたら、翌日に大気の対流で地上付近に降りてきて一層濃度が高まることも考えられる」と話す。
 オゾンは光化学スモッグによる健康被害だけでなく、ぜんそくなどを誘発する微小粒子状物質(PM2・5)を生成するもとにもなる。米持担当部長は「測定結果をスモッグ注意報の予測などに役立てたい」と話している。

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