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アフリカゾウ、繁殖めざし交換へ 東北・3動物園が連携 大森山の花子は仙台/秋田県

 秋田市大森山動物園など東北3県の公立動物園が、アフリカゾウの繁殖に連携して取り組むことになった。それぞれの園の雌のゾウを貸し出して交換する。雄と雌のペアの組み合わせを変えることで、繁殖行動を促す狙いだ。
 ほかに連携するのは、仙台市八木山動物公園と盛岡市動物公園。3園の合同記者会見が11日、仙台市内であった。
 今年度から、八木山のリリーと大森山の花子を交換する。どちらも卵巣活動が停止し、繁殖できない状態が続く。日本動物園水族館協会(JAZA)で国内のアフリカゾウ全体を管理する川上茂久・群馬サファリパーク園長は、「雌同士を交換することで、発情や繁殖行動につながる可能性が高くなる。JAZAとしても期待したい」と話す。
 リリーと花子を3年ほど経過観察した後、盛岡のマオとの交換も検討する。
 3園が連携するのは、国内で飼育するアフリカゾウが減っているからだ。
 川上さんによると、国内では1965年に石川県で2頭の飼育が始まり、86年には最多の80頭に増えた。だが、89年にワシントン条約の絶滅危惧種に指定され、輸入が困難になった。
 繁殖は難しく、国内では死産も含めて13例しかない。2017年には34頭に。36年には4~6頭にまで減るとの予測もある。
 会見で、小松守・大森山動物園園長は「アフリカゾウの繁殖は難しい。焦らず慎重にやっていきたい」と話した。

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