ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

森づくりの輪、広げる しれとこ100平方メートル運動、道支部設立へ /北海道

 知床を乱開発から守ろうと始まった「しれとこ100平方メートル運動」の支援の輪を広げようと、道内の運動参加者らによる「運動推進北海道支部」が設立される。24日に札幌市で設立総会を開き、運動当初から関わる午来昌・元斜里町長の「知床の夢をつなぐ」と題した記念講演もある。

 運動は1977年に始まった。「知床で夢を買いませんか」をキャッチフレーズに1口8千円で寄付を募った。全国約4万9千人から集まった約5億2千万円の寄付金をもとに岩尾別地区の開拓跡地約471ヘクタールを買い取り、無秩序な開発から知床の自然を守った。
 買い取り目標額に達した97年からは「100平方メートル運動の森・トラスト」に衣替えして運動の第2ステージへ。「知床で夢を育てませんか」をキャッチフレーズに1口5千円の寄金を募り、買い取った開拓跡地と町有地を含めた約860ヘクタールで、原生森の復元事業を続けている。
 だが、土地の買い上げのためというわかりやすい目標のある寄付と異なり、森を育てるという地味な活動への認知度はいまひとつ。企業の大口寄付などで、金額は大きく減っていないが、寄付件数は頭打ち状態で、寄付する人の大半は道外という。
 道内には運動推進本部が斜里町にあるが、運動参加者による支部は関東と関西だけ。運動開始40周年の昨年から、札幌市を中心に「認知度アップと、支援の輪を広げるため」に道支部の設立を準備してきた。
 道支部では、知床の森づくりへの理解を深め、寄付者の裾野を広げる活動や、本部が続けている「知床自然教室」「しれとこ森のつどい」「森づくりワークキャンプ」などへの協力、自然教育活動などに取り組む方針。設立準備会は「運動参加者だけでなく、知床に関心のある方はぜひ参加を」と呼びかけている。
 記念講演は午後2時から北大総合博物館(北区北10西8)で。定員100人、入場無料、設立総会は同3時半から。問い合わせは、斜里町自然環境係(0152・23・3131)へ。

PAGE TOP