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トキ放鳥、今年も2回 6月と9月、19羽ずつ 環境省 /新潟県

 国の特別天然記念物トキの再生事業を続けている環境省は14日、今年の繁殖と放鳥計画を発表した。ロードマップで示した「2020年に220羽の定着」をめざし、6月と9月に放鳥を行うことを決めた。
 同省佐渡自然保護官事務所によると、08年に始まった放鳥は11年目を迎え、自然界での繁殖は順調に推移している。14日現在の自然界でのトキの個体数は290羽で、このうち1年以上生存しているトキは187羽。1年以上生存している率は、極端に高くないとしている。
 このため今年の放鳥個体数は19羽ずつ、計38羽を自然界に放つ計画にした。時期を6月と9月にしたのは、昨年の放鳥の結果、いずれも高い生存率が維持できたためという。
 放鳥する個体は若い6歳以下のトキとし、自然界のトキの雄と雌の割合が、一般的な鳥の割合と考えられている55対45を目安に調整する。このため6月は雌の割合を増やし、9月は雄の割合を増やすという。
 放鳥するトキを育てるため、人の手による人工飼育では、遺伝的多様性を確保するため、中国から最後に提供された雄「ホアヤン」と雌「イーシュイ」の子や孫を含むペアや個体の繁殖をさらに進める計画だ。また、今後の繁殖が望めない既存のペアを6組解消し、新規に6組を形成する。
 放鳥が10周年を迎えたのを記念し、放鳥時にイベントを計画しているほか、7月から観察棟「トキのテラス」の建設も始まる。

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