ブックガイド

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●樹木葬という選択 緑の埋葬で森になる

田中淳夫著 築地書館 本体1800 円+税

BOOK樹木葬という選択s死後は自然の中で眠りたいという思いを抱く人々が増え、樹木葬への関心が高まっている。国内の先駆けとなった岩手県一関市の知勝院を訪れた著者は、いろいろな現場や施設を巡りながら、まず里山再生の話を聞かされた。本誌「守り人」欄で7月号から掲載されてきたように、死者を弔う思いとともに、自然を守る思いがあってこそ樹木葬墓地という形が選ばれたのだ。こうした墓地の経営が里山の再生活動を財政的に支えている事実は、新しい気付きでもあった。

海外で先行したイギリスやドイツの事例にも目を向けている。法的な枠組みは違えども、葬送と自然の保全を両立させる取り組みとして始まった経緯に、日本との共通点も見つかった。樹木葬という言葉は商標登録されなかったため、今では全国各地に樹木葬を名乗る墓地がある。ただし、自然を守るという理念が備わっていない墓地も、そこには含まれていることを著者は指摘する。樹木葬を選ぼうとする場合、「樹木葬の中の選択」が重要であることを訴えている。

(「グリーン・パワー」2016年9月号から)

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