ブックガイド

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●河川工学者三代は川をどう見てきたのか   安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年

篠原修 著  農文協プロダクション  本体3500円+税

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川はなぜ暮らしから縁遠くなったか

生き物のすめないコンクリート三面張りの川、目的を見失ったダム事業、忘れたころに起きる都市水害……。日本の多くの川はなぜ、ふだんの暮らしから縁遠くなってしまったのか。

「河川工学者三代は川をどう見てきたのか」は東京大の故安藝皎一と高橋裕、新潟大の大熊孝ら反骨の学者の系譜をたどりつつ、この150年の河川思想を問うている。

かつての川はしばしあふれるが、田畑に恵みももたらし、舟運の場でもあり、水防も地域が担った。明治以降、治水は官が担い、それも林野、砂防、河川、港湾と分けて遂行した。便利で快適な都市生活を可能にしたが、一方で連続堤防を高く築くほど川に水が集まり、破堤リスクも高まるのだ。三代目の大熊が脱ダムの論客になったのは、必然だったか。河川にとどまらず、近代の功罪を考えさせる。

 

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