年報『森林環境』
「森林環境2017」 特集・森のめぐみと生物文化多様性
森林と環境をめぐる最新の動向を、研究者や実践者が解説する年報『森林環境』の2017年版を発行し、無料公開しました。この年報は、森林文化協会の専門委員会である森林環境研究会による1年間の活動成果です。今回の特集テーマは「森のめぐみと生物文化多様性」。国土の約7割を森林が占める日本は、人と自然がさまざまに関わり合い、生物文化多様性の宝庫となってきたと言っても過言ではありません。しかし、社会の変化に伴って、これまで培われてきた生物文化の中には、存亡が危機にさらされているものも少なくありません。未来にどんな森林と生物文化を遺していくのか。未来の世代に、どのように森と関わり、どんな「森のめぐみ」を享受してもらうべきなのか。今後の在り方を考えていくために、活用していただけると幸いです。
※有料の印刷版をご希望の方は、直接、森林文化協会へご連絡ください。
- 編著=森林環境研究会
- 責任編集=田中俊徳+酒井章子
- 発行=公益財団法人 森林文化協会
目次
- 特集
- 序章 「めぐみ」を通じて森と関わる/田中俊徳
- 山菜・きのこにみる森林文化/齋藤暖生
- 和紙がつなげる人と森/田中求
- 日本人と杜~山の聖地が生み出す生物文化多様性/永松敦
- ジビエ振興の障壁は何か?~文化・法・経済・情報の観点から/田中俊徳
- 関わりのデザイン、暮らしのデザイン~里山と人との新しい関係性を探る/寺田徹
- 山のめぐみを享受する登山から、恩返しの登山へ/愛甲哲也
- 自然あそびの場づくりから里山再生へ~京都市宝が池公園プレイパークの運営を通して/野田奏栄
- 天然山菜採り代行サービス~山のめぐみをおすそ分けっ!/栗山奈津子
- 新たな森の産業創造~石川県における林業事業者の挑戦/飯田義彦
- 森と都市の共生~建築にさまざまな木を使う/腰原幹雄
- 照葉樹林の生物文化多様性とその活用/湯本貴和
- 終章 これからの生物文化多様性/酒井章子
- トレンド・レビュー
- 熊本地震による木造住宅の被害とその原因/青木謙治
- 木造再建か、名古屋城天守閣/伊藤智章
- 大学生による熱帯林保全のためのヤシ砂糖生産の支援活動/佐藤輝
- 大学演習林での教育研究ネットワークの最新動向/柴田 英昭、長田 典之、本間 航介、吉岡 崇仁、井倉 洋二、髙木 正博、佐藤 冬樹
- 人と森の調和と可能性~荒れた森だから人が来る?/三木一弥
- 緑のデータ・テーブル
- 2016年森林環境年表
- あとがき
- 奥付