年報『森林環境』
「森林環境2020」 特集・暮らしの中の熱帯
森林や環境に携わる研究者やジャーナリストらでつくる森林環境研究会が、1年間の活動の中で生み出した年報です。
特集テーマは「暮らしの中の熱帯」。コーヒー・バナナ・カカオや、シナモンやカルダモンといった香辛料、植物油脂や洗剤に活用されるパーム油など、日本に輸入されているモノに焦点を合わせ、生産者側の世界を見ました。木材の一部は違法伐採ですし、森林から住民を追い出す人権問題も起きています。日本人はこのようなモノの背景にあるコト(物語)にもっと目を向け、想像力を豊かにしてほしいと訴えています。
※有料の印刷版をご希望の方は、森林文化協会へご連絡ください。
- 編著=森林環境研究会
- 責任編集=原田一宏+井上真
- 発行=公益財団法人森林文化協会
目次
- 1章.熱帯で採取される木材
- その1 熱帯木材の〝違法リスク〟に十分な配慮を/三柴淳一
- その2 求められる紙原料企業の行動監視/笹岡正俊
- その3 マングローブ木炭の生産者の「顔」/藤原敬大
- 2章.熱帯で採取される天然資源
- その4 石炭が蝕む熱帯林と大気と人々の生活/寺内大左
- 3章.熱帯で栽培・生産される農作物
- その5 「持続可能な」パーム油生産実現の課題/河合真之
- その6 コーヒーを飲んで森林を守る/辻村英之
- その7 農作物としてのカカオからアマゾンを考える/武田真由子
- その8 バナナが支えるフィリピン農家のくらし/北村 碧
- 4章.熱帯で栽培・生産される樹木作物
- その9 シナモン栽培と国立公園のはざまで/坂田有実・原田一宏
- その10 カルダモンからみる水源林の開発と消失/石橋弘之
- その11 アマゾンの薬用植物利用とハーブの流通/戸田美紀
- その12 健康補完食品・換金源へと広がるモリンガ/砂野 唯
- その13 マルーラの商品化は住民の生活を変えたか/藤岡悠一郎
- その14 森林・木材資源としてのゴム農園の可能性/溝上展也
- その15 総括:連載を通して学んだこと、今後の日常生活への活かし方/原田一宏・井上 真
- トレンド・レビュー
- 扉+裏表紙側目次
- 浸水地域の開発規制を 人口減社会を転機に/伊藤智章
- 林業遺産:多様な森林・林業の歴史を後世に/竹本太郞
- ガーデンツーリズムに期待される地域振興/田中伸彦
- 林業成長産業化の下での私有林・国有林政策の新たな動向/柿澤宏昭
- 緑のデータ・テーブル
- 2019 年 森林環境年表
- あとがき・奥付(森林環境研究会名簿)