年報『森林環境』
「森林環境2018」 特集・農山村のお金の巡りを良くする
森林や環境に携わる研究者やジャーナリストらでつくる森林環境研究会が、1年間の活動の中で生み出した年報です。
今回の特集では、農山村でいかにお金を循環させるかに焦点を当てることにしました。類似したテーマとして、農山村で稼ぐという視点が、近頃はあちこちで議論されています。ただし、ここでは単純に稼ぐという段階にとどまらず、稼いだお金が農山村の地域内で有効なキャッシュフローとなって、地元住民を潤しているのか、というところまで踏み込んで考えるようにしました。この試みにはまだ不十分なところもありますが、農山村を豊かにしていくために少しでも役立てばと考えています。
他にも、今日的ないくつかの話題については、トレンド・レビューとして取り上げました。さらに報道や各種プレスリリースをもとに、森林・環境分野で起こった重要なできごとを、2017年森林環境年表として収録しました。
※有料の印刷版をご希望の方は、直接、森林文化協会へご連絡ください。
- 編著=森林環境研究会
- 責任編集=田中伸彦+伊藤智章
- 発行=公益財団法人森林文化協会
目次
- 特集
- 序章 農山村のお金の巡りを良くするためには/田中伸彦
- 第1部 農山村でお金を回す、とは?
- 産業連関分析と森林・林業・地域/山本伸幸
- 森林・林業分野の財政と農山村地域/石崎涼子
- 金融のあり方について考える/石田信隆
- 第2部 こうして回した 現場からの報告
- 農業農村の六次産業化/藤﨑浩幸
- お金と自然資源の新たな関係を作り出す地域通貨の試み/泉留維
- 未利用広葉樹は農山村の「お宝」になる!?/津布久隆
- 観光でお金を生むには “着地型観光”の現状と将来性/楠部真也
- エネルギーで地域経済を創生する/田中信一郎
- 芸北せどやま再生事業がもたらすエネルギー流通と地域経済の変化/白川勝信
- ジオパークによる過疎地域再生の取り組みと経済の活性化/大岩根尚
- 終章 持続可能な地域社会像を模索する/伊藤智章
- トレンド・レビュー
- 奄美の世界自然遺産登録に向けて 地域と世界自然遺産/長田啓
- 平成29年7月九州北部豪雨における流木被害/赤松良久
- 東京の自然公園ビジョン 自然に生かされ、自然を活かし、自然公園とともに歩む未来/根来喜和子
- 「地域おこし協力隊」の成果と課題、今後の方向性/田口太郎
- 都市の緑における官民連携/町田誠
- 森林環境税の租税論/石田和之
- 緑のデータ・テーブル
- 2017年森林環境年表
- あとがき
- 奥付(森林環境研究会名簿)