亜熱帯やんばるの森
ガラスヒバァと外来種

樹上のシロアゴガエルの卵塊に近づくガラスヒバァ。全長75〜110㌢メートル。沖縄諸島、奄美諸島に分布
ガラスヒバァは、森林の水辺を好む小型のヘビ類。和名は沖縄方言に由来し、黒い蛇の意。ナミヘビ科に属し、近年の研究では比較的強い毒性が指摘されている。しかし牙が小さく、ヒトが噛まれても毒液が体内に回ることはないと言われる。
ここ数年度々目撃するのが、樹上に登りシロアゴカエルの卵塊を捕食するシーン。このシロアゴガエルは東南アジア原産の外来種で、1964年に沖縄本島に持ち込まれ、現在では琉球列島の広い範囲に分布している。日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されている。2種の食物連鎖がどの程度浸透しているかは分からないが、外来種が在来種の生態に影響を与えている一例だろう。
(湊和雄)
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