亜熱帯やんばるの森

フタオチョウの繁殖

交尾ペア。前翅長40〜50㍉メートル。自然分布は沖縄本島、古宇利島、瀬底島。3〜10月に成虫が出現する。沖縄県指定天然記念物

 

 フタオチョウは花の蜜には興味を示さず、樹液を主な餌にする。地上など低いところでの目撃は稀で、高い梢にとまっていることがほとんどだ。雄はそこで占有行動をとり、侵入するものに急発進して追い払う。ときに鳥さえも追いかける。

 高い環境を中心に活動しているため、繁殖行動の観察例は少ない。2頭のフタオチョウが絡むように飛んでいたかと思ったら、近くの枝にとまった。望遠レンズで確認すると、交尾ペアが成立していた。同様の環境で活動するコノハチョウの交尾目撃例も少ないが、全国にある蝶の生態展示温室では比較的容易に観察されている。一方、フタオチョウの交尾観察例は非常に少ない。

(湊和雄)

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