亜熱帯やんばるの森

ヤンバルクイナとホウロクイチゴ

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ヤンバルクイナの親子。成鳥は全長約35センチメートル。やんばる固有種。国指定天然記念物

 

 やんばるの森を代表する生物のヤンバルクイナも繁殖シーズン。例年4月から6月に繁殖期を迎える。林床に枯れ枝などで皿状の簡単な巣を造り、3~5個の卵を産む。3週間ほどで孵化し、間もなく巣を離れる。親は雛を連れて移動しながら、餌を与える。小動物が主な餌だが、特にミミズやカタツムリを好む。
 雛が幼いうちは親子が少し離れて行動し、良い餌が採れると雛に運んで与える。雛の成長とともに雛は親の採餌行動について回り、親の見つけた餌を自ら食べるようになる。さらに成長すると、単独で採餌行動をするようにもなる。

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ホウロクイチゴの実。樹高1〜3メートル。沖縄諸島から関東地方南部に分布

 ヤンバルクイナの食性は動物質に偏っているが、胃内容物やふんの分析から、植物質もかなり採っていることが分かっている。ほとんどが木の実で、ホウロクイチゴも含まれる。
初夏に結実する大型の実なので、ヤンバルクイナの繁殖期後半には利用されていると思われる。やや高い枝の実をジャンプしながら採る様子も観察されている。

(湊和雄)

動画でもご覧ください。

 

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