亜熱帯やんばるの森
ミナミトビハゼとサキシマスオウノキ
潮の干満によって海水と淡水が混ざり合う汽水域。国内でも亜熱帯地域では、マングローブ林が発達することが多い。干潮時には干潟が出現し、そこは特有の動物たちの生息環境と化す。魚類を代表するのはミナミトビハゼ。魚類でありながら水が苦手で、半陸上生活を営む。呼吸は皮膚呼吸が主で、口に含んだ水でえら呼吸もする。
ゆっくり移動するときは、胸びれと腹びれを器用に使う。急激な移動は、尾びれをS字状に曲げその反動で跳ねる。ときに水面を連続してジャンプすることもあり、その姿から沖縄方言ではトントンミーと呼ばれる。
背びれは、接近した他個体への威嚇や、求愛時に開く。全身地味な体色だが、この背びれだけは赤みを帯び目立つ。
マングローブ林を構成する植物は、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどヒルギ類が主役。それに隣接したやや内陸で見られるのがサキシマスオウノキ。軟弱な砂泥地で巨木を支えるために板根が発達する。
(湊和雄)
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