亜熱帯やんばるの森
リュウキュウオオコノハズクとリュウキュウマツ
やんばるの森で普通に見られるフクロウの仲間は、リュウキュウコノハズク、リュウキュウオオコノハズク、リュウキュウアオバズクの3種だ。遭遇する頻度もこの順に多い。リュウキュウコノハズクは、日本最小のフクロウとして知られている。
リュウキュウオオコノハズクとリュウキュウコノハズクは、一見似ているが、前種のほうがひと回り以上大きく、赤褐色を帯びる傾向がある。また、虹彩と呼ばれる眼の周辺部が前種はオレンジ色で、後種は黄色であることからも区別できる。
リュウキュウオオコノハズクは日本全土に分布するオオコノハズクの沖縄亜種で、西表島などでも記録があるが、現在安定して観察できるのは沖縄島、とくに北部やんばる地域に限られる。
営巣は樹洞が利用されるが、樹種の好みはあまりないようだ。腐朽した営巣木も多く、樹種の識別が難しい例も少なくない。また、樹木の根元に開口する地中で繁殖することもある。確実に樹種が確認されているものに、リュウキュウマツが知られている。
※)琉球列島は、生物学でトカラ列島から八重山諸島までの亜熱帯の島々を指す。大東諸島、尖閣諸島は含まない
(湊和雄)
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