亜熱帯やんばるの森
リュウキュウアカショウビンとリュウキュウマツ
やんばるの森で見られる動物は、季節的な移動で一時的に滞在する種も少なくない。その代表種が旅鳥だ。このリュウキュウアカショウビンも4月頃に渡ってきて繁殖する。体色の違いなどから、日本全国で見られるアカショウビンの琉球列島亜種として扱われる。そして10月初頭までには、ほぼ姿が見られなくなる。
営巣は崖の土や枯死木に穴を掘って行う。樹木はかなり腐朽の進んだ軟らかい状態を好み、立派な嘴(くちばし)を持ちながら硬いのは苦手なようだ。利用する樹種はリュウキュウマツやタブノキが多い。
捕食する餌は、昆虫、クモ、多足類、爬虫(はちゅう)類、両生類、カタツムリ、カニなど多様だ。また、度々水中に飛び込み、水生生物を捕らえることもあるが、単に水浴びだけのことも多い。
リュウキュウマツはやんばるの森に自生する唯一のマツ。植林された群落が多く、自然状態では、それほど多い樹種ではない。実は哺乳類、鳥類など多くの動物の栄養源になっている。
(湊和雄)
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