亜熱帯やんばるの森

コノハチョウとセイタカスズムシソウ

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翅脈(しみゃく)が葉脈のように見えるコノハチョウ。前翅長約48ミリ。石垣島、西表島にも分布する。沖縄県指定天然記念物

 

 ヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネといった固有種に比べると目立たないかもしれないが、やんばるの森の隠れた希少種がコノハチョウ。生息数は決して少なくはないのだが、和名の示すとおり枯れ葉に巧妙に擬態しているため、目の前にいても気づかないことも珍しくない。

 真冬に成虫に出会うこともあるが、最も多くなるのが6月から7月にかけての季節だ。翅(はね)の裏面の枯れ葉模様は変異に富むが、翅脈が葉脈のように見える個体は、枯れ葉としての完成度に感心するばかりだ。

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2月に開花したセイタカスズムシソウ。今年は“大量開花”の年に当たる。同じ和名のラン科植物もあるが別種のキツネノマゴ科

 

 食草は2種が知られている。セイタカスズムシソウとオキナワスズムシソウだ。前種は人の背丈ほどに成長し、群落も形成する。コノハチョウにとって貴重な栄養源なのだが、周期的に開花・枯死する性質がある。6~8年周期で大量の花をつけ、その後多くの株や枝が枯れる。しかし、多少の差こそあれ花は毎年見られる上、大量開花後に枯れない株も認められる。決して“オール・オア・ナッシング”の開花と枯死ではない。

 (湊和雄)

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