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紅葉真っ盛り 「レクリエーションの森」に出かけてみませんか 

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紅葉に彩られた東京・高尾山の駅付近(上)と登山客らを乗せたケーブルカー=公益社団法人 八王子観光コンベンション協会提供

 

 紅葉真っ盛り、自然豊かな森林へハイキングに出かけてみたくなる季節となった。

 「夏休みなど休みの長いときや、紅葉の季節、新緑のころは人出が多くなります」と話すのは、林野庁関東森林管理局の担当者だ。関東であれば、高尾山や箱根などの人気が高い。

 こうした地域は、国有林のなかでも山岳、渓谷、湖沼などと一体となって、スポーツにも適している森林が少なくない。林野庁は、全国593カ所(2021年4月現在)を「レクリエーションの森」に選定し、自然休養林や自然観察教育林、風景林、野外スポーツ地域などとして、利用者に開放しているところもある。

 自然休養林では登山やハイキング、キャンプなどを複合的に楽しむことができる。自然観察教育林は自然の変化に富み、小中学生らが野生動植物の観察や森林の働きを学ぶことができる。

 森林スポーツ林はアウトドアに適したところが目立ち、キャンプやサイクリングを通じて自然を体感できるという。風景林は名所、旧跡などと一体で、景勝地になっている。

 たとえば、東京都には高尾山自然休養林や南高尾風景林、神奈川県には箱根自然観察林や芦ノ湖風景林など。青森県には白神山地・暗門の滝自然観察教育林、鳥取県には扇ノ仙森林スポーツ林がある。

 レクリエーションの森は、1970年代に国民が休養を取りやすいようにと選定されたのが始まりという。林野庁の経営企画担当者は「市町村など地域と一体で運営することが多い」と話す。かつては全国に1千カ所くらいあったが、少子化などで減ってきているとも。

 通常の国有林とは、管理の仕方が違う点もある。同庁によると、木材をつくる国有林は立ち入りを制限することが多く、木を切っては植えて、維持・管理している。これに対してリクリエーションの森は「積極的な林業をあまりせず、自然のまま」(計画保全担当者)開放されているケースが目立つ。その維持・管理にあたっては、出資元の市町村や環境省をはじめ、スキー場やキャンプ場といった民間事業とも連携することがある。

 関東森林管理局によると、高尾山では高尾森林ふれあい推進センターを通じて、多くのボランティアたちも活動している。今年8月11日の「山の日」には、森林インストラクター東京会と協力したイベントとして、自然に親しみながら登山道のごみを拾うハイキングを開催。昨秋には地元の小学生を対象とした森林教室があり、人工林と天然林の違いなどを学ぶとともに、丸太切りの体験にも挑んだ。

 レクリエーションの森は自然のままにしていることが多いとはいえ、来訪者の安全のためのメンテナンスは欠かせない。同管理局の担当者は「定期巡回をして、立ち木の保全や枯れ枝の管理などもしている。危険なところには利用者が立ち入らないように安全指導もしている」と説明する。

 少なくなりつつあるレクリエーションの森。ただ、地域の人たちが「利用したい」と言えば、林野庁は協力を惜しまない構えだ。「地域のみなさんがぜひ利用したいとなれば今後、増えていくかもしれない」(経営企画担当者)と期待を込める。

 同庁のホームページに「森林への招待状」という項目がある。そこには、全国各地のレクレーションの森が紹介されている。「日本美しの森 お薦め国有林」ではドローンで撮影した映像を公開。時間のあるときにクリックするだけでいい。こうした専用サイトで近くにある森に興味がわいたら、出かけてみてはいかが。

 (浅井秀樹)

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