6月の絵暦
梅雨の晴れ間。
艶やかで柔らかな、びっしりの葉の影に、
クワの実、びっしり。
一つ、二つ、摘まんでみれば、あー美味しい。
もう一つ、もう一つ・・・、もう一つ。
すっかり、ベロはドドメ色。
空も同じに染まれば、あちらのホタル、こちらのホタル。
ほわっ、ほわっ。
(村上康成)
※カレンダー『森へようこそ2023』(ユニオンサービス)より
■お知らせ
◇ちひろ美術館セレクション「2010⇒2021日本の絵本展」
6月3日~9月3日/安曇野ちひろ美術館
10月7日~1月14日/ちひろ美術館・東京
(10月8日はたこうしろう×村上康成・対談/詳細は公式サイトでお知らせしま
す)
〈2010年以後を象徴する日本の絵本30冊〉
2011年の東日本大震災をはじめ激動の2010年代。子どもを取りまく環境も大きく
変化しました。画家たちは新しいテーマや表現に挑戦し、絵本を通して今を生きる子
どもたちに向けたメッセージを発信し続けています。絵本の世界では、新しい世代の
つくり手たちのめざましい活動も印象づけられました。また2010年代を通して、「3.
11」や「福島」を取りあげた絵本や真摯にいのちと向き合う絵本、過去の戦争に焦点
をあて、平和の在り方を問う絵本など、時代をあらわす作品も生まれました。
ちひろ美術館では、10年ごとに時代を代表する絵本を紹介する展覧会を継続してお
り、今回は4回目となります。3年の延期を経て開催する本展覧会では、時代に求めら
れた多様な表現に焦点をあて、2010年から2021年に出版された作品のなかから、注目
を集めた絵本や、今後も活躍が期待される作家の作品を紹介します。
村上康成展示作品『まっている。』講談社刊
◇『開館40周年記念 PLAY BACK:1983-2022 ―コレクションで振り返る刈美の軌跡―』展は4月22日~6月18日まで、刈谷市美術館(愛知県刈谷市)で開催。https://www.city.kariya.lg.jp/museum/exhibition/1012720/1012723.html
開館40周年を記念する本展では、3800点を超える当館コレクションの中から開館以来の展覧会や作品収集活動を切り口に厳選した約160点を展示します。「郷土の美術」「現代の美術」「絵本の世界」といったテーマ展示に加え、過去の展覧会ポスターや図録もあわせて紹介します。村上康成作品はヤマメのピンクシリーズ最終刊『ピンクがとんだ日』(徳間書店)の原画を展示します。
◇児童文学『黄色い竜』(徳間書店)を販売中。田んぼ、小川、湖など身近な自然の風景のなかで生きる、少年のひと夏の清新な物語。文字で描くことに専心した村上康成“初”の児童文学。
◇『MOiKU』は、木や森と人をつなぐ季刊誌です。親子で楽しめるショートストーリーなどの創作を通して、森林や木の大切さを伝える冊子です。入手方法は「一般社団法人 日本の森林みらい」のホームページ(https://japan-forest.com/contact)をご覧ください。
■プロフィール
むらかみ・やすなり/1955年岐阜県生まれ。創作絵本、ワイルドライフアートなどで、独自の世界を展開する自然派アーティスト。『ピンクとスノーじいさん』『プレゼント』『ようこそ森へ』などでボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『ピンク!パール!』でブラチスラバ世界絵本原画展金牌、『なつのいけ』で日本絵本賞大賞などを受賞。絵本に『ピンク、ぺっこん』『石のきもち』『さかなつりにいこう!』『リュックをしょって』『まっている。』などの他、エッセイに『水ぎわの珍プレー』、児童文学に『黄色い竜』など多数。森林文化協会の「森の親善大使」でもある。
村上康成BREEZINGオフィシャルストア https://www.y-murakami.com/
ミントミント 村上康成グッズ https://ymshopmint.cart.fc2.com/userpage?id=92594