5月の絵暦
ヤマフジが今が盛りと、新緑の山に浮かんでいる。
大気はのんびり、うとうと。
沢の水はほどよく緩み、
ヤマメは元気に、羽虫に飛び出す。
釣り人は、流れの岩に腰かけ、おにぎりをほおばる。
一匹は釣りたいぞと。
(村上康成)
※カレンダー『森へようこそ2023』(ユニオンサービス)より
■お知らせ
◇『ちきゅうパスポート』原画展は5月31日まで、教文館(東京・銀座)9Fナルニアホールで開催中(入場無料)。 https://www.kyobunkwan.co.jp/blog/archives/13446
同じ地球の上でいま、戦争に巻き込まれ、苦しんでいる子どもたちがいます。地球を覆うパンデミックも、なかなか収束しません。この閉塞感のある日常で、国境を越えて子どもたちに希望を伝えたいと、絵本作家たちによる企画が動き出しました。国境のない国々を想像力で自由に行き来できる、地球上のみんなが手と手を結びあえる、ジャバラ絵本です。絵本作家は、ひと見開きずつ想像の「国」を考え、次の国へと手(あるいは足、尻尾、羽根など)をつなぐ絵を描きました。そして、日本をはじめ6カ国24人の絵本作家が、子どもたちへのメッセージとして描いた作品が、この『ちきゅうパスポート』(BL出版)です。
◇『開館40周年記念 PLAY BACK:1983-2022 ―コレクションで振り返る刈美の軌跡―』展は4月22日~6月18日まで、刈谷市美術館(愛知県刈谷市)で開催。https://www.city.kariya.lg.jp/museum/exhibition/1012720/1012723.html
開館40周年を記念する本展では、3800点を超える当館コレクションの中から開館以来の展覧会や作品収集活動を切り口に厳選した約160点を展示します。「郷土の美術」「現代の美術」「絵本の世界」といったテーマ展示に加え、過去の展覧会ポスターや図録もあわせて紹介します。村上康成作品はヤマメのピンクシリーズ最終刊『ピンクがとんだ日』(徳間書店)の原画を展示します。
◇「ちひろ美術館コレクション なんて世界は素晴らしいのだろう」は5月28日まで、安曇野ちひろ美術館(長野県松川村)で開催中。10カ国の画家たちによる絵本作品を通じて、世界には「苦しい、恐ろしい」だけでなく、「素晴らしいこともたくさんある」ことを見つめ直す展覧会。村上康成/『ようこそ森へ』(徳間書店/ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞)がメインビジュアルを飾っているほか、キャンプの楽しみをカケスの視点から描いた同作品の原画8点が展示されています。
◇児童文学『黄色い竜』(徳間書店)を販売中。田んぼ、小川、湖など身近な自然の風景のなかで生きる、少年のひと夏の清新な物語。文字で描くことに専心した村上康成“初”の児童文学。
◇『MOiKU』は、木や森と人をつなぐ季刊誌です。親子で楽しめるショートストーリーなどの創作を通して、森林や木の大切さを伝える冊子です。入手方法は「一般社団法人 日本の森林みらい」のホームページ(https://japan-forest.com/contact)をご覧ください。
■プロフィール
むらかみ・やすなり/1955年岐阜県生まれ。創作絵本、ワイルドライフアートなどで、独自の世界を展開する自然派アーティスト。『ピンクとスノーじいさん』『プレゼント』『ようこそ森へ』などでボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『ピンク!パール!』でブラチスラバ世界絵本原画展金牌、『なつのいけ』で日本絵本賞大賞などを受賞。絵本に『ピンク、ぺっこん』『石のきもち』『さかなつりにいこう!』『リュックをしょって』『まっている。』などの他、エッセイに『水ぎわの珍プレー』、児童文学に『黄色い竜』など多数。森林文化協会の「森の親善大使」でもある。
村上康成BREEZINGオフィシャルストア https://www.y-murakami.com/
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