脱炭素、30by30 現場から

木造仮設住宅、被災地で広がる 朝デジ連載で紹介

DLTが使われた木造仮設住宅=2025年6月、石川県珠洲市

 

 地震や豪雨災害などの被災地で建設される応急仮設住宅を木造にする動きが広がっています。石川県内の能登半島地震の被災地に立つ応急仮設住宅の2割強が木造となっています。鉄骨を使う従来型のプレハブ造りの仮設住宅は迅速に建てられるのが特徴ですが、木造は住み心地が良い、鉄筋コンクリート基礎の上に建てるので、長期的な利活用ができるといった点が特徴です。

 なかでも珠洲市に9棟135戸、輪島市に3棟31戸建設されたものは、「DLT(Dowel Laminated Timber)」と呼ばれる、製材(材木)を重ねて固定した積層材が使われています。接着剤を使うのではなく、材木に空けた穴にダボ(木の棒)を差し込んで、固定するのが特徴です。
 木を活用することで社会課題の解決をめざす活動を表彰する「ウッドデザイン賞」(日本ウッドデザイン協会主催)の24年の最優秀賞(国土交通大臣賞)に選ばれました。
 設計を担当した坂茂(ばんしげる)建築設計(東京)の原野泰典ディレクターは「接着剤で固定する木質パネルは設備投資をした事業者でないと作れない。これに対しDLTはダボを打ち込むだけなので、地場の中小の製材所でも広く作れる可能性がある」と話しています。

 朝日新聞のデジタル連載「30by30 生態系を守る」で、木造仮設住宅をめぐる動きや被災者の声をまじえて配信しています。

https://www.asahi.com/articles/AST6K2JQKT6KBSDS001M.html

 また、25年のウッドデザイン賞を募集中です。7月末締め切り。応募は専用サイトから。http://www.wooddesign.jp

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