森と街をつなぐ道〜森林作業道作設〜
木製品の販売や木育ワークショップ、森林空間活用などで「森と街をつなぐ事業」をさまざま展開している東京チェンソーズですが、創業以来、その中心には〈森づくり〉を据えてきました。今年も秋になり、搬出間伐の現場が始まっています。
現在、東京の針葉樹林の多くが樹齢60年以上に達し、国産材需要の高まりや環境対策、防災対策などの側面から、間伐をはじめとした森林整備が求められています。
弊社はこれまで10年余りにわたって、社有林を中心に山林内に作業道を開設し、間伐や小規模な皆伐、植林などの森林整備を進めてきました。
ここ数年は、搬出間伐に力を入れるようになっています。
今期の現場は、本社に近い東京都檜原村・時坂地区及び近隣の青梅市の2カ所。その一つ、檜原村の現場では、間伐に先立って、伐採木を搬出する森林作業道の作設が行われています。

作業道を入れる前。立木に巻きつけたピンクのテープがルートの目印。まずは立木を伐採し、重機で粗道を掘る

粗道(木組みを敷く前)
森林作業道は、木材を搬出する4tダンプがギリギリ通行できる幅員2.5mに設定しています。これは幅員を広くすると、山側の切り取りが大きくなり、土砂崩壊の危険性が増すからです。安全な車両通行と森林の環境保全とのバランスを取り、2.5mとしています。

伐採木を活用し、木組みを敷く
路面には、道をつくる過程で伐採した木材を活用した木組みを敷いています。その分、手間はかかりますが、木組みを敷くことで完成後に通行する車両の沈み込みを軽減し、また、水はけも良くなるので、結果的に長持ちする道となります。担当者は「半永久的に使える道」を目指すと話しています。

敷いた木に土をかぶせ、固める
木組みを固定するのは、特別仕様の8寸(約24cm)釘。慣れないうちは打ち損じが多く、メンタルがやられるそうです(笑)

特別仕様の8寸釘で木組みを固定
木組みは下から、道に平行して路肩に敷く桁、桁と直角に交わり、路面の下部に通す横木、その上に再び桁を敷いて、最後に土をかぶせ仕上げます。

木組みが完了
雨が降ると道が泥状になり、締め固めしづらくなるので作業には向きません。今年は雨が多かったので、現場を休むことも多くありました。

降雨後の様子
作業道ができたあと、周囲の間伐作業を開始します。間伐で発生した木材は月に2回開かれる原木市場に出荷します。しかし、根っこ、枝、曲がり材、二股材、極端に細い材は出荷せず、社内で家具やおもちゃ、小物、アロマの素材として活用します。

斜面上方から全体を見る
森林内に作業道が入ることで、木材の搬出はもとより、この連載の1回目や2回目でお伝えしたように、一般の方が森に入りやすくもなりました。森林作業道はまさに、森と街をつなぐ道であるようです。
(東京チェンソーズ 木田正人)

