日本アルプス 四季を旅する
アルプスに生きる

夏でも多くの雪が残る乗鞍大雪渓では、太陽の日差しや雨などで雪渓が解ける過程で、スプーンで何ヵ所も削り取ったような「スプーンカット」と呼ばれるくぼみが見られる。
雪渓が朝日を受けて赤く染まり、スプーンカットがより立体的に浮かび上がる情景を捉えようと、夜明け前に現地に到着し形状が最も良い場所を探し、日の出を待った。
うっすらと霧が漂う中、雪渓の上部からかすかにピヨピヨと鳴き声が聞こえた。その方向に目をやると、雪渓を下るライチョウの親子がいた。母鳥は4羽のヒナを連れていた。母鳥は雪の上を駆け下りるが、追いかけるヒナたちはまだ雪上を歩き慣れていないのか、転倒したりしながら慌ただしくついていく。その姿はとても可愛らしく見えた。
親子は雪渓から外れると高山植物をついばみはじめた。もう1台のカメラに超望遠レンズを装着して観察してみる。距離もあったせいか私のことは気にならないようで、母鳥は自分の食事が終わると座りこみ、食事に夢中なヒナたちを見守りはじめた。その様子もなんとも愛らしく、何度もシャッターを切った。
撮影地:長野県松本市
(大島隆義)
~今後もライチョウを保護していくために~
ライチョウを撮影するにあたり、私はライチョウの研究をされている信州大学名誉教授の中村浩志先生に生態や撮影についてご教授いただいています。下記の中村先生のウェブサイトでは、今後もライチョウが安心して暮らしていけるように、注意喚起をされています。ぜひご一読ください。
一般財団法人中村浩志国際鳥類研究所
「ライチョウを大切にする文化再構築への理解と協力のお願い」

