日本アルプス 四季を旅する
凍てるシラビソと青い山塊

中央アルプス主稜線の中で最北に位置する将棊頭山(しょうぎがしらやま)。麓でもある長野県伊那市から木曽駒ヶ岳を登頂するメインルートの通過地点のピークの一つだ。
長野県の伝統行事、学校登山において大正2年に地元尋常高等小学校の遭難事故があった。この悲しい出来事を基に作家の新田次郎が著した「聖職の碑」は有名だが、その舞台でもある。
桂小場登山口から将棊頭山までは8割が森林といった印象で登山者も少なく、豊かで静かな自然を満喫しながら登山を楽しむことができる。
樹林帯を抜けて稜線に出るとちょうどそこがこの山域の森林限界。明け方にたどり着くと、ダケカンバやシラビソの霧氷の姿が朝日に輝いていた。目的のピークである将棊頭山まではあと少しではあるが、厳冬期は常に強い風が吹き荒れ、先ほどの静かな樹林帯とは真逆の世界。雪は風に飛ばされ積雪量はそれほどでもなく岩やハイマツなども露出している。
森林限界の狭間なのか、凍てついたシラビソも低木ではあるものの、この厳しい環境下で生き延びようとしている姿があった。
澄んだ青空を雪の山肌が映し出し、木曽駒ヶ岳を含めた稜線の陰影も青くそびえ立っていた。
撮影地:長野県伊那市
(大島隆義)

