日本アルプス 四季を旅する
朝焼けに染まる頃

北アルプス後立山連峰の八方尾根。夏は八方池に映り込む白馬三山、秋は紅葉、冬にはシュカブラ(雪紋)など、四季を通じて被写体の宝庫だ。尾根上にたつ八方池山荘は通年営業しており、通いやすい山域だ。
12月の初冬から積雪量は多く、シュカブラを被写体にするのも良いが、八方池から丸山に至るまでの間にあるダケカンバ林は魅力的だ。クマザサなどの低木は雪の下に埋まっているが、大きく立派なダケカンバだけが雪上に点在していて、この季節ならではの光景だ。
朝焼けに染まる白馬三山とダケカンバを狙うため、八方池山荘に宿泊して未明に小屋を出発。ヘッドライトを灯しながら目的の場所へ向かう。頭上には満天の星空が広がり、白い山の稜線がかすかに確認できる。頭の中にはこれから迎える朝の撮影イメージが浮かぶ。
夜明けが近づくにつれ、東の空は群青色からオレンジ色の美しいグラデーションとなり、刻一刻と色彩が変化する。日の出と共に陽光を受けた雪山はピンク色に染まり、モルゲンロートの世界に包まれる。日の当たる範囲が徐々に広がりはじめると、日陰の部分はこの時間帯独特の青色を帯びた色彩となる。自然が創る彩りに心を動かされながらの撮影となった。
撮影地:長野県白馬村
(大島隆義)

