日本アルプス 四季を旅する

ライチョウと立山連峰

 北アルプス立山連峰の室堂には、国の特別天然記念物であるライチョウが多く生息する。

 ライチョウたちにとって5月は大事な時期。特にオスは恋の季節に、縄張り争いと大忙し。あちこちで目撃することができる。活発に活動し、夜明け前から「ガーガー」と鳴き、その声があちこちに響き渡る。日中は自分の縄張りを獲得するための警戒監視や、つがいであればメスを守るため、岩の上などにいることも多い。

 普段はハイマツの下に隠れていることが多いライチョウもこの時ばかりはそうもしていられないのか、ハイマツのそばをゆっくりと歩きながら現れた。ライチョウは3度換羽する珍しい鳥だが、この繁殖時期は最も代表的な姿で美しくも感じる。

 目の上の肉冠を真っ赤に大きく出して、警戒しているのがうかがえるが、カメラを向けたボクの方に、まるでポージングするかのように背筋を伸ばし、ゆっくりと近づいてきた。

 立山連峰を背景にベストなアングルで撮影することができた。

 【撮影地】富山県立山町 立山室堂

 (大島隆義)

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