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放鳥コウノトリ、受難 救護・死体の45%、人為的要因 /兵庫県

 豊岡市の県立コウノトリの郷公園は20日、2005年の試験放鳥以来、けがをするなどして救護されたり、死体で収容されたりしたコウノトリの原因の約45%が、人間活動によるものだったとする分析結果を発表した。今年に入って建築材を誤飲して衰弱死するケースもあったという。
 郷公園によると、2005年以降、国内の野外で生息していたコウノトリは計202羽。9月現在で122羽が生息している。一方、けがをするなどして救護されたり、死体で収容されたりした個体がこれまで87羽確認されている。
 郷公園がその原因を分析したところ、人間活動に起因するケースが39件(44・8%)あった。最も多かったのが防獣用のネットや電気柵などに引っかかるなどした18件。次いで送電線や鉄塔にぶつかるなどしたケースが14件あった。猟友会による誤射や交通事故などがこれに続いた。
 今年8月に鳥取市で見つかった幼鳥の死体を郷公園が解剖したところ、胃の中から窓枠の補強に使う発泡ゴムが出てきた。長さが数十センチあり、幼鳥がウナギやヘビと間違って食べ、胃を詰まらせたらしい。山岸哲園長は「ここ数年、人工物によるトラブルで死んだり保護されたりするコウノトリが増えている。人間との共生を考える上で真剣に取り組まなければならない課題だ」と話した。

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